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Dance allows myself being empty
by emptybody
今暮らす場所で踊る

6年ほど前に
神戸の兵庫運河の貯木場跡地の水面で
堀尾貞治さんと現場芸術集団「空気」が
「空気美術館」を
一年間活動してはった時に
私も水の上で踊る機会があった

その打ち合わせの時に
堀尾さんにゆっくり話を伺うことができて
インタビュービデオが残っているのだが
暮らす場所で制作・発表するなんて素敵だなと
わくわくした記憶がある

レジデンスプログラムなどで
初めての土地で暮らしながらではなく
自分の根っこが今あるところで
制作・発表する

日本中・世界中を廻って
自分の育った場所に戻ってくる

いつかわたしも
てらいなく
そんな風にできる時がくるといいなと思っていた

わたしは相変わらずの根無し草だけれども
とりあえず
今は大阪の此花で家族と暮らしている

わたしが1歳から17歳まで暮らした町
そして20代からはどこかから帰ってくる町

日本や外国のいろんな場所で踊ることはあっても
自分の暮らす場所で踊ったことはなかった

映像の撮影ですら
なぜか此花ではしたことがなかった

地元なので
道を歩いてても
「金剛園の娘」だと分かっている人を
わたしの方が知らないことが多い

以前「大阪アートカレイドスコープ」に出展した時に
プロデューサーの北川フラムさんと新潟のことについて尋ねてみたのだが
妻有はフラムさんの出身地ではないとのこと
「地元には家族もいるからね」と言ってはった

わたしはいつか韓国のチェヂュ島に拠点を持ち
自然の一部として暮らしとしごとをしていくつもりで
チェヂュドのことは思い描いていたけれど
今暮らしている此花のことは忘れていた
いつも旅立つ場所だったから

きのう此花で踊る機会をもらう

朝Jerryと西九条駅で待ち合わせして
此花メヂアに向かう

三家総一郎くんの風水をテーマにした
植物と照明、音のインスタレーション作品
"Perfect Place"
でパフォーマンスをする

午前中にパフォーマンスをするのは初めてだ
いつも太陽が頂点から沈んでゆく時に踊っているなと気づく
そして
太陽が昇っていく時は
ダンスのポジティブなエネルギーが
満ちてゆく感覚が強いことに気づく

風水にしたがって
緑色の衣装を着る
何から何まで緑の人

神木
路地
迷路のようなメリヤス工場跡
道ゆく人たち
窓からのぞく近所の人たち
家中を走り回る子どもたち
近所の人たちに借りてきた植物
白い惑星のような音の源
Jerryの笛やドラム、そして詩の朗読
窓から強く差し込む光

町の中で
いろんなモノが
交響する

Jerryとパフォーマンスを一緒にしはじめて
1年以上が経つ
彼とコラボレーションするたびに
いろんな気づきに恵まれる
いつも知らなかった自分にも出逢える


パフォーマンスが終わって
急いで着付け教室に向かう
初めての稽古で
先生が
「焦らずぼちぼち行きましょう」
と何度も言ってくれる

着物を身にまとうと
柔らかな空気に包まれ
しっかりと守られている安心感がある

ぼちぼち着られるようになりたい


夕方は
政岡土地さんの空き事務所スペースで
展示をしている
HiraLion BetaLandさんの映像インスタレーション作品
"LIGHT BODY"で
踊る

「見っけ!このはな」のクロージングパーティで
お酒も入ってみんな気持ちよくなった終わり際に
パフォーマンスする

久しぶりに
そんな風な場所で踊ったので
新鮮だった

HiraLionさんとは前日に初めて会って
「一緒にしようよ」と声をかけてもらい
わたしの個展の準備作業にまで
アドバイスをもらった仲

そんな風に
初めて会った人と
コラボレーションするのが
好きだ

今までいろんなテキスタイルアーティストたちに
作ってもらった
衣装を組み合わせてみる
フランスで暮らすyumが誕生日にプレゼントしてくれた白いレースの提灯ブルマ
東京の中村真紀ちゃんの白いボレロのようなベストのようなニット
呉夏枝 OH Hajiの白いストールやスゴンのような布





ほこり


夜を照らすモノと踊る

踊ったあとも
おんなじ町で眠る

ありがとう


見っけ!このはな
http://mikke09.exblog.jp/
by emptybody | 2009-11-09 08:33 | ひびのたび
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