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この世界を
飛び交うモノ を かわして かわして 笑いながら 唄をうたいながら かわして かわして おめでとう たんじょうびおめでとう 潮風を浴びながら 太陽の光を受けながら おにぎりを食べる パンを食べる お茶を飲む みかんを食べる 神戸でいろんな作品を観て ぐったりして 最後にどうしても観たかった展覧会に 足を運ぶ 空間に足を踏み入れた途端に 空気が変わる そして一枚一枚の絵の前に 立つだけで わたしのからだと響き合い たましいがふわっと包まれる 平面の可能性に あらためて 驚く 何も細工もいらない 何も主張もいらない ただ絵が目の前にある それだけですべてがある 微熱が下がったら 今度は喉が痛み ピンクのマスクや大根米飴や梅肉エキスなどで ましになったと思いきや 鼻がずるずるして 頭がぼうっとする 今日は予定をぜんぶキャンセルして 家にいることにする そして小説を読む いそがしすぎると本を読む時間から遠ざかってしまう 数日前初めて会った人と本の話をした時に 「どんな本を読むの?」と聞かれ 「字がいっぱいの本も読むし、字がちょっとだけの本も読む 小説も学術書も、エッセイも写真集も絵本も詩集も 何でも読む」と答える 本を読んでいると呼吸が深まることに今日気づく 夢中で読み続け そして そして 文学の可能性に 静かな興奮を覚える ここ数日間 ブラックマジックの罠にはまりそうになり 怨念を受けぐったりしてたところに 出逢った作品は わたしにいろんな問いを投げかける 答えなんて必要のない問い 湯たんぽでぬくぬくあたためた 布団の中で 一冊読み終える 服を着込み 傘を差して 雨の夜に 図書館へと歩いてゆく 気がつけば 喉も鼻も頭も少し楽になっている シンプルなカタチ 平面 文学 その奥深さに 救われる ぱっと人目を惹く必要はなく ただひとりの存在となって 向き合う瞬間をもたらしてくれる モノは 人のたましいを磨く 一見ありきたりであるカタチでも そこから一歩 その真髄を享受するために 感受性を 柔らかく 持ち続ける 意志 たなごころから こぼれないように こぼれないように WOLFGANG SEIERL展 2009/11/1-11/30 11am-7pm 木曜休廊 ギャラリー開 Gallery Kai 神戸市中央区栄町通3丁目1-7 栄町ビルディング3F Tel+Fax 078-334-7110 川上未映子 「ヘヴン」 講談社
by emptybody
| 2009-11-24 22:21
| ひびのたび
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